日本の中学・高校の6年間で習う英単語の数は約4100語と言われている。一般的なアメリカ人が知っている英単語の数は約1万5千~2万5千語という。数字だけで比較してみると全然足りないように思えるが、ここに興味深いデータがある。映画「バックトゥーザフューチャー」で使われている英単語は、何と1000語足らずなのである。3部作を全部合わせても1800語ほどしかない。われわれが中学・高校で習得した単語数よりも少ないのだ。もしこの1800語を全部知っていたら、理論的には字幕なしでこの映画を見れる事になる。
ではどうして多くの人が「バックトゥーザフューチャー」を字幕なしでは鑑賞できないのか?暗記している英単語が的外れだからである。書店で英語のコーナーを見渡してみると、その答えが見えてくる。日本で現在出版されている英単語集は、大学受験生向けのものがほとんどである。これらの教材に出てくる英単語は、大学入試問題にはよく出題されるかもしれないが、実際の日常会話で使われる頻度は低かったりする。英会話を勉強している者にとっては、実際にネイティブがよく使う英単語集が欲しいのだが、残念ながらいい教材がないというのが実情である。
市販の辞書ソフトの中には「100万語を収録」などと、収録されている単語数の多さを宣伝文句にしているものも数多く見受けられる。これは一般的なアメリカ人が知っている単語数よりもはるかに多いのだが、アメリカ人は日常生活でそんなにたくさんのボキャブラリーを必要としていない。
もし新聞のニューヨーク・タイムズ紙でよく使われている英単語集があったとしよう。これが日常の英会話でもよく使われている単語だろうか?恐らく違うであろう。口語と文語では使われる単語にも差異があるのである。ではNBCテレビのニュースでよく使われている英単語集ではどうだろうか?これもまた違う。普通の日常生活で使われる会話に最も近いと思われるのは映画である。
「映画に出る英単語」は受験生向け一辺倒な従来の英語辞書とは異なり、映画で話されている英会話を使用頻度で統計的に分析し、重要単語を割り出すようにしたソフトである。辞書設定で選択されている映画の中で何回その単語が使われたかを計算し、その単語の使用頻度を算出している。
「映画に出る英単語」では、人称代名詞(you, sheなど)、代名詞(what, howなど)、助動詞(can, will, shouldなど)、前置詞(of, in, toなど)、数字(one, twentyなど)のように最低限知っていなければ英会話が成立しない単語は除外してある。
また「care」(注意)、「careful」(注意深い)、「carefully」(注意深く)、「carefulness」(注意深さ)、「careless」(不注意な)などのように語幹・接頭辞・接尾辞を組み合わせただけの単語は1つにまとめてある。